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*ADMIN* 妄想&その他

2024

0516
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2009

0523
ネタを思いついては見たものの、どういう世界背景なのか自分でもよくわからないので(笑)とりあえず、こっちに書いてみたりします。


「冷たいあなた」

つやつやとした緑色の苗を、どこから貰ってきたのやら。
シャアが手入れをしている鉢植の苗を見ながら、アムロは首をかしげていた。植物にはてんで疎いので、何を育てているのかはわからない。しかし、目の前の豪奢な男にガーデニングの趣味があったとも思えない。なのに付け焼刃とも思えない堂に入った仕草で、シャアは苗の面倒を見ていた。風通しの良い場所を選び、水やりを欠かさない。どうやら常に土が湿っている状態を保っているらしい。10日に1回は水遣りと同様に液体肥料を与えている。
それに応えるように小さかった苗は順調に大きくなっていった。
蕾らしいものがついたとき、アムロはようやく質問を口にしていた。
「何の花?」
小さな如雨露を手に振り向いたシャアは、嬉しそうな笑みを浮かべていた。
「このまま何も聞かれないのかと思っていたよ」
「…なんとなく聞きそびれてただけだ」
無意識のうちに拗ねる口調になって、慌てて口をつぐむ。まるで自分が苗に嫉妬してたみたいだった。
ささやかなアムロの意地を、シャアは追求しなかった。
ただ、ゆったりと幸せそうに笑った。
「クレナイという名前の花だよ」
「…赤い花が咲くのか?」
当然、連想されることをアムロは言った。シャアは否定しなかったが肯定もせず、まだ緑色の蕾を指し示した。
「これが、もう少し大きくなると白い花が咲く」
「…白い花なのにクレナイって名前はおかしくないか?」
「咲き始めは白だが、変化するんだよ。白から紅に染まって、鮮やかな赤い花になる。ヤマアジサイという種類だからね」
うっとりするような甘い声でシャアが囁けば、アムロは頬を赤く染めていた。
白い花が、赤く染まる。
その様は、いつだってシャアに満足を与えてくれるのだった。

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