2009
拍手もコメントもありがとうございます。心の糧です。レスできなくてすいません…orz
ケリーのダイナー『ヴァル・ヴァロ』は、街中の少々治安の悪い場所にあった。店はそこそこ繁盛している。群れのメンバーが利用するため、人間は何となくいづらく妖精は近づかない。ただ立地条件のわりに、揉め事がおこったことはない。人狼の群れのセカンドは、自分の店でおかしなことは許さないのだ。料理は海産物のメニューが多い。常に新鮮なロブスターやイセエビ、タカアシガニを何処から調達してくるのかは謎だ。アムロは、エビをたっぷりつかったシーフードカレー目当てに月に何度かは足を運んでいる常連だった。
翌日、昨夜の雨をひきずった空模様はぐずついており、太陽は顔を見せたり見せなかったり。嫌がらせの意味があまりないのが、アムロには残念だった。ハリーほど力のあるエルダー・ヴァンパイアになると、日中も太陽光も平気ではないが弱点ではない。ヴァンパイアについての伝承や噂は、あまり当てにならない。ヴァンパイアに決定的に違う2種類がいることを、知っているものも少ない。一度完全に死んでからヴァンパイアに転化した「真なる死者」は、伝承が当てはまる。だが生きながらヴァンパイアに転化した「生ける死者」はそうではない。そして後者の方がヴァンパイアの割合としては多いのだ。
整備工場をコウにまかせて待ち合わせより早くダイナーにつくと、店に人影はまばらだった。ケリーの伴侶であるラトーラに挨拶されて、奥の席へと案内される。席には早めの昼食をとっているガトーの姿があった。
「相変らずたくさん食べてるんだ」
「身体が資本だ。お前も食事をしろ…どうせ朝を抜いてるんだろう」
図星だったので、アムロはラトーラにシーフードカレーを注文した。
「お前は食が細すぎる。工場でもコウには食わせるくせに、自分はあまり食べてないだろう」
「腹ペコの人狼は危険だろ。それに俺は人狼とちがって燃費がいいんだ」
ガトーはほぼ食事を終えて、自分の前に座るアムロを見据えた。
「…人狼に心当たりはない。お前にはあるのか?」
「昨日も話して、いろいろ考えたけど、やっぱり思いつかない。今はハントもやってない堅気の自動車整備工だしね」
アムロのおよそ堅気とはいえない経歴を耳にしたことのあるガトーは、複雑な表情を浮かべるしかなかった。
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