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*ADMIN* 妄想&その他

2025

0514
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2009

1202


俺はやるぜ俺はやるぜ俺はやるぜ…
どこかの犬橇レース参加のワンコのように自己暗示をかけております。目標は12月中に入稿。1月に大阪シティに参加するつもりなのに、もって行くものが何もないという…orz そんな訳鋭意努力中です。
 



目標はブログ連載…

【ローレライからエフェメラへ】

<エフェメラ>には蜉蝣という意味がある。儚いイメージとは裏腹に、それはシーマの魔女としての称号だった。本人は気にいっているが、自分をそう呼ぶ人間は限定していた。うかつに配下が口にしようものなら、鉄の制裁がまっている。シーマをエフェメラと呼べるのは、同じく魔女であるものたちだけだった。
魔女がいつから魔女となるのか、知っているのは魔女たちだけだ。彼女たちは決してそれを他者に教えることはない。
<ローレライ>は<エフェメラ>の古い友人だ。伝説の精霊の名を称号としてもつ彼女は、音による魔法を得意としていた。だから伝言は音に託されていた。風が運んできた一節のフレーズを、シーマは正確に理解した。
「…やっかいなことが起こりそうだ」
本心を呟くと、シーマは配下に指示をだして車を用意させる。顔なじみの珍しい種族<ウォーカー>が経営している小さな整備工場へと向うために。
 

【雨の来訪者】

アムロは整備工場の隅にある、小さな事務所で発注書と睨みあっていた。事務処理は得意ではない。しかし経営者として、避けては通れない。面倒だった伝票処理は、最近バイトとして雇ったコウが何とか片付けてくれている。コウも事務関係は得意ではなさそうだったが。二人とも、機械を弄っているほうが好きなのだ。
「アムロ、今月分終ったよ」
「あ、ありがとう」
コウから伝票の束をうけとると、奇妙な音がした。コウの腹の音だった。
「冷蔵庫に、サブウェイのサンドが入ってる。食べていいぞ」
アムロが自分の夜食用に用意していたものだが、そう言うとコウは心底嬉しそうな顔をした。人狼を空腹のまま放置してはいけない。彼らが常に腹を空かせているのだとしても。
「じゃ、俺、コーヒー入れるよ。アムロも飲むだろ?」
「うん。ミルクだけ入れて…」
うきうきと奥のスペースへと移動するコウに注文をしようとして、アムロは口をつぐんだ。不思議そうにコウが振り返る。
雨の夜だった。空の月は雲に閉ざされ、シャッターの向こうからは雨の音が聞こえてくる。整備工場のオイルの臭いと、水の臭いがしていた。
かすかな血の臭いは、あやうくそれらに紛れてしまいそうだった。
 

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