2007
ド派手なMSから現れたのは、それ以上に派手な顔をした男だった。芸能人にだって、ここまで綺麗なヤツはそうそういない。額にキズがあるってことは、やっぱ無修正なんだろう。…一年戦争時、変なマスクで顔を隠してたのは大正解だ。こんな危険なもの、曝してたらロクなことにならない。
綺麗な顔の、青い宝石みたいな目が自分を見ていた。
アムロ・レイ、と口唇が動いた。
自分にわかったことが、彼もわかったのだ。
それは、喜んでいいことなのだろうか。
シャア・アズナブル。
エゥーゴの戦艦に、彼が乗っているなんて非常識だと思う。
広大な宇宙の片隅で、よりにもよって再会するだなんて。
ガルーじゃないけど、サテリコンの悪夢か。しかも実体がある分、始末に終えない。自分よりも一回りは大きい男に、腕をとられて連行されるのは楽しいものじゃない。文句を言いたかったけれど、真剣な貌を見上げたら何も言えなかった。映画のワンシーンみたいに、カッコよかったから。
………面食いな自分が情けない。
人気のない通路で、彼はようやく足を止めた。
思い出したように、ヘルメットを取り去る。流れ落ちるプラチナブロンドは煌いていて、そのくせ柔らかそうだった。
改めて見ると、ものすごい美形だ。
大理石から削りだされた彫像みたいに完璧だ。
それが―――柔らかく微笑むなんて。
反則だ。
反則以外の、何者でもない…!
※本編は一応、クワトロ視点なので。どうしてもクワトロがいると、アムロサイドをカットしてしまいがちです。でもせっかく書いたので(笑)流れにそぐわない話なんですが、一応UPしてみたり。サテリコンのアムロさんは、見た目よりタフなはずです。たぶん。年長者に恵まれたから。
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